茨城大学文藝部の部室に置いてある「文藝部ノート」のオンライン版と称したブログです。部員の新たな一面が見られるかも……?

文藝部オンラインノート

作品について

2023.01.24

雨和のあとがき(創苑2号)

 どうも、課題に追われている割には人生エンジョイしていると思われている雨和です。やはりあとがきを書くのが好きなので創苑2号分も書いていきます。

「睡眠学習」

これはコロナウィルスが感染拡大しはじめた頃に書いたものです。文藝部のTwitterでいいねの分だけ新入生歓迎号に作品を載せる企画の一環でつくりました。二年以上前の作品なので……何も覚えていませんね。どうせお布団にくるまってそれっぽいこと言ってるだけですよ、多分。

「フローズンラブ」

 創苑1号に掲載した「想う」と対になる詩を書きました。握りしめたからこそ失うものもあることに気付いていながら、だからこそずっとそばにいてくれる存在を探し求めるのでしょう。

「すきなうた」

 「睡眠学習」と同じく二年以上前に書いたものです。わたくし某男性アイドルプロデュース系ソシャゲ(あんさんぶるな方)が好きでして、新曲を気に入ってCDを購入したらB面の曲の歌詞に自分の詩で、自分の言葉で書きたかったことが言われて悔しくなった気持ちを表現しました。聞いてみて欲しいけど、名前出していいのかな……。

「くすみブルーの愛を」

 クソデカ感情をくしゃくしゃに丸めてポイッとした作品です。器用な君はギリギリセウトで過ごしているが、君ほどの器用さなら余裕のセーフな人生を送ってほしいです。頑張ってアウトから抜け出せない私が哀れなんです。

「オールドバス」

 実体験を詩にしたので実質エッセイです。見たことないバスに乗ってワクワクしていたら知らない道にドナドナされるところでした。危ない。水戸で見かけたので水戸勢は是非探してみてください。

「環状リテレート」

 思想が人類アンチに傾いていた時に書いた、曲があれば歌になるように意識して書いたものです。色々と比喩を混ぜ混ぜしてみました。

「短歌集<冬の陣>

 前回のアルタネイティブだったか、水戸文学だったかに載せた短歌集で味を占めてまた書いてみました。今回は私生活を中心に(逆に公なんてあるのか?)詠みました。多分しばらく続けます。書いてほしいテーマなどありましたらコメント等にどうぞ。

 あとひと月もすれば茨大にも春休みが訪れます。今年の春休みは何を為せるかな……。

2023.01.24

あとがき 睡眠薬と煙草:冬

 こんにちは。湫を自称している文藝部員です。私の存在を認知していただけているのか、そもそもこのオンラインノートの存在が世間さまに知られているのか、いつも大量の疑問符が付きまとうのですが、そんなことは放っておいて、早速あとがきという名の自分語りに入りたいと思います。

 

『睡眠薬と煙草:冬』

 「ふつう」でいられない自分への嫌悪感、現状への焦り、それらに対する諦観、現実逃避、等々を下地にして、自分が異常であることをいやでも強く意識させてくる睡眠薬と、そんな自分を肯定して、ほんの少しだけ寄り添って慰めてくれる(ような気がする)煙草をテーマに書き上げた作品です。

 毎度のことながら、実体験をベースにして、普段ボケーっと考えている取り留めもないことを、他人様に見せられる程度に整えただけの、なんとも形容し難い文章になりました。

メタ的なお話をすると、今作は試験的な過程を経て誕生しました。というのも、私が睡眠薬を摂取すると(おくすりの種類や個人差もあるのでしょうが)、どうにも身体と思考がフワフワする傾向にあるらしく、その瞬間を文章に残すことができないだろうか、と試行錯誤した結果がこの作品になっています。

なにぶん薬を飲んだあとは頭が働かないもので、なんとか努力して残したメモを元に、素面のときに当時の自意識を回想しながら書く、という作業を何度も繰り返しました。文章量やクオリティのわりに手間のかかった、燃費の悪い作品と言えるかもしれません。

総評としては、過去の自分の思考を客観的に見つめ直すという観点からすると、自身にとっては非常に意味のある作品であると言えなくも無いのですが、感傷的で自己本位な、私の中の気持ちの悪い部分がいつも以上に強く出てしまった文章になったな、という印象です。

作品については概ね語り終えてしまったので、ここからは創作論について感じたことを書き残しておこうと思います。

創作に触れてはや四年になりますが、どうやら私は、自己を離れて世界を空想・創造して物語を書き上げる、ということができない性分のようで、創作の源はほとんど内的なものになっています。

只管に自己を見つめ直し、掘り下げて、ネタになりそうな部分を発掘してきて、それをなんとか作品と呼べる体裁に整えて…… という一連の努力の結果として、今回のようなよくわからない文章が出来上がっている、という訳です。

ふと、他の部員はどんな方法で創作に取り組んでいるか気になって、何人かに尋ねたことがあるのですが、まさしく十人十色といった様子でした。

日常からの思いつき・連想、こんな世界なら面白いかなという空想、魅力的なキャラクターに世界や設定を着せる…… 等々。それぞれに違った作品の産みかたがあることを発見して、非常に興味深く思った記憶があります。

私にはとても真似できない方法で創作に取り組んでいる部員達と、それぞれの持つ視点から文芸について語り合えるというのは、非常に恵まれたことだな、といつも感じています。良き同士たちと巡り会えた己が好運に、感謝の念が絶えません。

 

最後になりますが、いつにも増して自己満足を極めた文章となった、『睡眠薬と煙草:冬』を読んで頂けました方、改めて御礼申し上げます。こんな拙作ではありますが、読まれた方の心に、ほんの少しでも何か感じるものがあったなら、この上なく嬉しいです。

2022.12.04

あとがき:愛憎

 

 お初にお目にかかります。湫を自称している文藝部員です。名前だけでも覚えて頂けますと嬉しいです。こういった時に何か気の利いた一文でも付け加えるのが文藝部員のたしなみなのでしょうが、恥ずかしながらそういったセンスは持ち合わせていないので、早速ですがあとがきの方に入らせていただきます。

 

『愛憎』

 愛が憎しみに至る過程と加害、それに対する赦し、不完全な母娘、メンヘラ…… 等々重めのクソデカ感情をテーマに据えて書き上げました。二十歳そこらの青二才がこんな重い話を扱って、あまつさえ小説にするなんておこがましいにも程がある、と重々承知の上ではありましたが、なんとか自分の中では満足のいく作品に仕上げられたと感じております。

 

 この作品は、所謂、「機能不全家族」に生まれた少女が大人になって二児の母となったことで、過去の母の姿と今の自身を重ね合わせ、精神的な赦免に至ったものの、当人の本心は聞けずじまいだった…… というお話です。全体的に暗く湿っていて、後味の悪そうなお話にはなりましたが、生命や新しさを想起させる結びの文でなんとかバランスを取ろうと無駄な抵抗をしてみました。

 

 メタ的な反省をすると、梓さんの家族内における父と弟の影の薄さが目立ちすぎたな、と感じています。言い訳をさせていただくならば、梓さんの視点から話を展開する以上、目に映るのは彼女の興味に沿ったものではなくてはと思い、彼女の心の大部分を占めるであろう、母と祖母の話が中心になってしまった、という訳です。そうだとしてもあんまりではあったので、今後の創作においては気をつけていきたい所存です。

 

 さて、ここからは作品の外に目を向けて、裏話的ななにかをしたいと思います。いくらかの部員にはお話したのですが、実の所、『愛憎』は私の知り合い、つまり実在する人物の半生に着想を受けて書き上げました。その方はあっけらかんと、まるで普通のことのようにお話ししてくれたのですが、そこに至るまでの当人の心境の過程を想像し、心に深く染み入り、思うところがあったので、小説の題材にする許可を頂き、この作品が生まれることになりました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。このあとがきを読んでいただけているかはわかりませんが……

 

 最後に、「愛憎」と銘打った作品を書くにあたって、私なりに色々と愛や憎しみについて改めて考察もしてみたのですが、そんな難しいことを考えてみても、愛どころか初恋も知らない、恋に恋する乙女である私には答えは見つかりませんでした。私はなにもわからないままでしたが、この作品を読んでいただけた皆様の、心の琴線にほんの少しでも触れられていたら、と願うばかりです。

2022.06.30

雨和のあとがき(創苑1号)

 オンラインノート作っておいて本人も使っていないことに気付いた雨和です、どうも。せっかくなので創苑1号の作品について語っていこうと思います。

<非対称性アラインメント>

 思春期特有の、誰かと何かを共有したい気持ちと誰かに執着する気持ち、それに疲れて一人でも生きていける、と強がる気持ちを混ぜ混ぜしました。

 私はこういうので痛い目に遭ったので反省したはずなのに、日々是執着……。

<想う>

 私にとって大切な人同士もお互いを大切にするとは限らない。そんなことは割とあると頭では分かっているのですが、のほほ~んとしていると忘れがちです。

 人との出会いとは偶然の重なりで得られるものですし、物のようにもう一度同じ関係が得られるわけではないので、もっと大切にしたいです。そんな意思表明をしようと思って書きました。

 作品紹介は以上です。まだまだ荒削りではありますが、作品に触れた方の心が良い方に向きますように。

 @部員 みんなのも読みたいので良かったら書いてください……。

Copyright 2006 茨城大学文藝部